新卒で外資に入社したわたしはいつも課題が解決できないことで失敗を繰り返す毎日でした。
自分の固定概念に基づいて解決できる簡単な課題であれば問題ないのですが、つねに解決できるとは限りません。
課題を解決する方法はいろいろとありますが、ビジネススクールにも行っていないわたしに、必ず外人上司が、”Think Big” といいます。
“Problem Solving Skill” は外資で求められる重要なスキルのひとつです。
ヒトは自分自身の固定概念に基づいて確立された思考パターンで解決しようとしがち。
そして、極小的な視野から解決策をひねり出そうと考えます。
大局を見失い、その結果、思うように解決できないこともあります。
場合によっては、間違ったアイデアで解決しようとすることもあります。
外資入社の最初の1〜2年はこんな失敗ばかりしてました。
この記事では、外資で必ず言われる、“Think Big” の意味と身につけ方・伸ばし方について解説します。
ルーチン通りの手順に従えば、実は誰にでもすぐに身に付く方法なんです。
目次
“Think Big” とは？
ひとことで言うと、あなた自身の固定観念を取り払って考えるということ。
いままでとは異なる、高い視座や大局的な視野から俯瞰する習慣を確立させることで、
柔軟性のある見方ができるようになります。
すると正しい解に導けるようになります。
この基本が “Think Big” です。
“Think Big” するための手順
一番重要なルール “Difficult Zone” からのアプローチ
問題解決策に行き詰まっているのは、あなたが自身が慣れたいつもの
固定化されたアプローチ で解こうとするから。
「解」が見出せないなら、あなたのアプローチでは絶対に解けない。
一旦、捨てて、最初から違うアプローチを取り入れる必要があります。
覚えておくべきポイントは、
“Comfort Zone” のなかに「解」は、なく
“Difficult Zone” のなかに「解」が、ある
このルールを覚えておきましょう。
つまり、”Difficult Zone” から「解」を求めるアプローチをとること。
固定化された思考回路から抜け出せないのであれば、他人を巻き込むことがベスト。
オススメの人選はあなたと対照的なヒトを選ぶこと。
きっと、あなたとは、異なる考え方の持ち主。
そのヒトには、“Think Big” するためのヒントはあります。
ステップ １ ゴールを設定する
最初に行うべきことは、直面している課題・問題、或いは、目標を単純設定すること。
このときの注意点は、条件や制約などは完全無視する。
でないと、結局同じ思考パターンの繰り返しで大局的な景色は見えなくなる。
目標設定をー
○○○ を □□□ する
コツは、主語を添えること。
例えば、「クレームを減らす」という、課題に対しては、「自社へのクレームを減らす」
と書き改める。
△△△ が ○○○ を □□□ する
このとき、
- △△△ は、主語の名詞。
- ○○○ には、目的語の名詞。
- □□□ には、実行したい動詞が入る。
これらの、各要素 主語の名詞・目的語の名詞・実行したい動詞のルールに沿って変えていく。
ステップ ２ 視座 ＝ 水平方向の視点 ✖︎ 垂直方向の視点
問題を解決する・目標を達成するためには、様々な視点にたってものごとを俯瞰する必要がある。
つまり、
目標設定の「主語の部分」を様々な視点に置き換えて考察してみる作業
が必要。
すると、いままで気がつかなかったことに気づく。
視座を高めるコツは ー
水平方向に視点を拡張することと垂直方向に視点を伸張する掛け算 を行う。
👉 水平方向に視点を拡張
👉 垂直方向に視点を伸張
👉 視座の高め方 ＝ 水平方向への視点の拡張 ✖︎ 垂直方向への視点の拡張
図のように、利益主体が変わると必然的に視座が高まる。
目標設定の「主語の部分」を様々な視点に置き換えて考察してみる作業 ができる。
これで、思考対象の領域が拡張できます。
水平方向と垂直方向の視点が十分でないと、思考対象の領域もMAX拡張されません。
ステップ ３ 並列思考と対立思考で視座を完結させる
問題が解決しないのは、あなたの考察が固定観念に囚われ過ぎているため、
思考が停止している状態に陥ってしまっている。
思考した「解決策や解」から、「新たな解決策や解」が生まれないのは、このため。
この状態から抜け出すには、考察ポイントをずらしていく 必要があります。
この状態から抜け出すコツはー
並立（Synonym）思考 ✖︎ 対列（Antonym）思考
目標設定の
△△△ が ○○○ を □□□ する
このうち、○○○ の部分（目的対象：名詞）を並列させて思考 していく。
目的対象の名詞を並列させて、キーワードをリスト化する。
目標例：利益を増やす
コストを下げる・輸送費を減らす・人件費を減らす・売上を増やす・・・・
👉 並列思考のキーワードをリスト化する
並列キーワードは、コスト・輸送費・販売管理費・・・
つぎに、□□□ （動詞）部分を対立させて思考していく。
動詞を対立化した、キーワードをリスト化していく。
👉 対立思考のキーワードをリスト化する
Produce vs Consume・Global vs Local・Long Term vs Short Term・Revenue Oriented vs Cost Oriented・Strengths vs Weakness
つまり、対立する反意語を基準に考察する。
異なる利害関係者の視点はそれぞれ、対立する視点から課題・対象を俯瞰している。
ここで、気づかないことが気付けるキッカケになる。
並列思考や対立思考するときの ワードチョイス は非常でキモになる。
注意点は、想像力を働かせる、こと。
固定観念は想像力を阻害する要因となるので、場合によってはまわりのヒトの意見も取り入れること。
日頃から練習する
日々の業務・プロジェクトなどは改善できる部分が必ずあります。
まずは、手の届くことから、“Think Big” する練習をしてみましょう。
職場の上司や先輩に質問することで、ヒトの大局観から学ぶキッカケをつくることもできます。
オープン・マインドのスタンスをとる
見方や解決方法は必ずしもひとつとは限らない。
こどもの視点で物事をみてみるのも手です。
後輩や新人の見方も案外あなたとは異なる見方かもしれません。
柔軟性をもつことが重要
コツは ー
- 使うことばに注意 Negative Word → Positive Word
- 前向き思考を維持 → ビジョンを設定する
- 想像して信じる → 厚かましさも時に必要
“Think Big” する際の障壁
無意識のうちに自ら、“Think Big” できない環境に身を置こうとしている場合があります。
悪い習慣をリセット
- 先延ばし・引き延ばし
- 短期的思考
- ネガティブな考え方
- いいわけ
- 無意味な問題への執着
- 過度な分析・批評
- 完璧の追求
まわりの批判や目を気にする
根底にあるのは、失敗を気にする意識。
プライドが邪魔しているのかも知れません。
批判を回避するコツは同僚やチームメンバーの意見を聞くことです。
あなたと異なるバックグランドを持っているヒトの意見は貴重です。
視点の角度や視座の高さも異なります。
相談することは、一気に数多くの視点と異なる視座を手に入れたのと同じこと。
相談することをオススメします。
“Think Big” を習慣化する
“Think Big”は視点や視座を変えることで得られるので、常に、ものごとを異なる視点で見るようにするだけで習慣化できるようになります。
例えば、お菓子を買ったら、生産者の立場で考えみたり、広告代理店の視点でなぜ自分が買ったのか、あるいは、買わされたのかを考えてみたりするのも、ひとつの方法です。
すると、いままで見えなかった視野がひろがってきます。
まとめ
“Think Big”の前提は、自身の “Comfort Zone” ではなく、“Difficult Zone” からアプローチしてみる。
“Think Big”の手順：
ステップ１：ゴールを設定する
ステップ２：視座＝水平方向の視点X垂直方向の視点
ステップ３：並列思考と対立思考で視座を完結させる
“Think Big”の身に付ける：
日頃から練習する
オープンマインドのスタンスを心がける
悪い習慣をリセットする（問題解決の先延ばし・過度の分析など）
まわりからの批判を気にしない
以上です
stephen pong
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