企業会計

キャッシュ・フロー計算書を復習できたら英語での理解に挑戦しよう

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企業財務の基本は、貸借対照表、損益計算書とキャッシュ・フロー計算書の三つがあります。

実は、M&Aなどでもこのキャッシュ・フロー計算書を読み込む必要がります。理由は、「黒字倒産」などの可能性を見抜く必要があるから。損益計算書だけでは、企業の財務実態は把握できません。

この記事では、キャッシュ・フロー計算書について日本語でわかりやくポイントを解説します。海外企業への投資や買収はさけられません。ですので、この記事を元に英語でもキャッシュフロー計算書につぃて解説しています。

よろしければ、そちらもご覧ください。

キャッシュ・フロー計算書は何を表しているの?

cashflow_statement_1

キャッシュ・フロー計算書は一定期間、通常は会計年度内でのキャッシュの出入りを表しています。

例えば、ある会社の会計年度が3末(4月から翌年の3月末まで)とします。

製造した製品が100億円分1月に売れたとします。ただし、取引先企業からの入金は同年6月だとすると、この100億円分の売り上げは損益計算書上では表示されますが、キャッシュ・フロー計算書上では表示されません。なぜなら、現金が入金されていないから。

つまり、損益計算書とキャッシュ・フロー計算書では、お金が表示されるタイミングが異なると言うことです。

例えば、損益計算書上では利益が出ているのに、ある日突然、倒産する企業が出てくる理由はここにあります。

キャッシュ・フロー計算書の構造

cashflow_statment_2

キャッシュ・フロー計算書は3つのお金の流れから構成されています。

  1.  営業活動によるキャッシュフロー
  2.  投資活動によるキャッシュフロー
  3.  財務活動によるキャッシュフロー

では、この3つのキャッシュフローについて解説していきます。

営業活動によるキャッシュフロー

これは、企業の事業活動によって会計年度内にどれだけのお金の出入りがあったかを示しています。名称からすると、損益計算書の営業利益に似ていますが、異なります。

営業活動のキャッシュフローの内訳をみると、営業利益とは異なることがわかります。構成内容をみると、どちらかと言うと、当期純利益に近いです。

損益計算書

項目 損益計算書の項目解説
売上 売上金額
売上原価 製品原価など
売上総利益 売上ー売上原価の金額
販売費及び一般管理費 原価以外のコストを記載
営業利益 売上総利益ー販売費及び一般管理費(企業の本業の利益)
営業外収益 本業以外の利益
営業外費用 本業以外の費用
経常利益 営業利益+営業外利益ー営業外費用
特別利益 そのほかの利益
特別損失 そのほかの費用
税引前当期純利益 経常利益+特別利益ー特別損失
法人税、住民税など 各種法人税など
当期純利益 最終的な税引後利益

営業活動によるキャッシュフロー(間接法)

項目名
税引等調整前当期純利 損益計算書より転記
減価償却費 加算扱い
受取利息・受取配当金 受取金はマイナス扱い
支払利息 支払いはプラス扱い
有形固定資産売却損益 売却益が発生した場合はマイナス扱い
投資有価証券売却損益 売却益が発生した場合はマイナス扱い
売上債権の増減 増加した場合はマイナス扱い
棚卸資産の増減 増加した場合はマイナス扱い
仕入れ債務の増減 減少分はマイナス扱い
小計
利息・配当金の受取
利息の支払い マイナス扱い
法人税などの支払い マイナス扱い
営業活動によるキャッシュフロー  

上記の表を見比べると非常に類似していることがわかります。

営業活動によるキャッシュフローでチェックするポイント

営業キャッシュフローがプラスかマイナスかを確認します。つまり、これは、企業が事業で儲けを出しているかどうかを確認します。当然、プラスが望ましいです。

投資活動によるキャッシュフロー

これは、企業が将来のために行った投資に関するお金の出入りを示しています。ここには、過去の投資資産の売却なども含まれます。

投資活動によるキャッシュフロー内訳

項目名
有形固定資産の取得 取得による支出はマイナス扱い
有形固定資産の売却 売却による収入はプラス扱
投資有価証券の取得 取得による支出はマイナス扱い
投資有価証券の売却 売却による収入はプラス扱い
投資活動によるキャッシュフロー

 

投資活動によるキャッシュフローでチェックするポイント

投資キャッシュフローがプラスかマイナスかを確認します。企業が事業を継続拡大するためには投資が必要です。そのためには、この投資によるキャッシュフローがマイナスであることが望ましいです。ただし、ここで注意する点があります。

それは、先の図にも示している通り、有価証券の投資もこの投資活動によるキャッシュフローをマイナスに導く要素となります。ただし、この有価証券投資は事業には関係ない可能性が高いので、投資キャッシュフローがマイナス=良い、と言うわけではありません。したがって、マイナスの場合には、その内訳をみる必要があります。

財務活動によるキャッシュフロー

これは、企業が必要な資金をどのように調達したかを示しています。例えば、銀行からの借り入れを行ったのか、社債などを発行して調達したのかなどです。当然、社債などの償還などがあれば会社から出て行ったお金として示されます。

財務活動によるキャッシュフローの内訳

項目名
短期借入 借入による収入はプラス扱い
短期借入返済 返済による支出はマイナス扱い
社債発行 発行による収入はプラス扱い
社債償還 償還による支出はマイナス扱い
配当金の支払い 償還による支出はマイナス扱い
財務活動によるキャッシュフロー

 

直接法と間接法について

キャッシュ・フロー計算書の作成方法には、「直接法」と「間接法」に二種類があります。

「直接法」は営業活動によるキャッシュフローを主な取引ごとの総額で表示する方法です。

「間接法」は損益計算書の税引前当期純利益に調整要素を加味して表示する方法です。

間接法での代表的な調整要素として、減価償却費があります。これは、損益計算書上では減価償却費を毎年計上していますが、実際のお金の出入りからすると、対象となる資産を購入した時点でお金は一括で払われています。従って、営業活動によるキャッシュ・フローを計算する際には、この差し引かれた、分を戻す作業が発生します。これが、調整要素のひとつとなります。

他の項目

最終的なキャッシュフロー計算書の構築には先ほどの、営業活動・投資活動・財務活動による各キャッシュフローに以下の3項目を加味した合計により作成される。

  1.  現金及び現金同等物の増加額
  2.  現金及び現金同等物の機首残高
  3.  現金及び現金同等物期末残高

以上、3項目の各要素をプラスした金額がその会計年度に於けるキャッシュ・フロー計算書となります。

まとめ

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これらの、3つのそれぞれのキャッシュ・フローと合算額が示されるのが、キャッシュ・フロー計算書です。

繰り返しますが、ひとつの会計年度における実際のお金の出入りの動きを示しているのがキャッシュ・フロー計算書です。

冒頭の例で言うところの、製品が売れたが、入金が翌期になる場合などは反映されません。

ピュアなお金の出入りの動きだけを示しています。

この記事の内容の概要を英語で解説している記事を用意しましたので、是非、理解を英語まで拡充していっていただければ嬉しいです。

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stephen pong

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