リスニング

【基礎編】リエゾン、リダクションやリンキングの種類と具体例を解説

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この記事はリスニングの弱点克服のための強化コンテンツです。
第1回目は【基礎編】リエゾンについて。
リエゾン(リンキング)・リダクション・フラッピングの種類を解説。

英語には、単語と単語が連結することにより、単語本来の発音が変化するという現象があります。これらを、リエゾン(リンキング)・リダクション・フラッピングといいます。

実は、英語の上達には音の変化をしっかり聞き取れることが重要です

単語の正確な発音だけではなくて、音の変化もしっかり、理解して自身で発音することではじめて相手の話す言葉が聞こえてくるようになります。

 スピーキングとリスニングは表裏一体

耳から入る音の情報の構造を頭で理解していないと、聞こえません。

リスニングを上達させるための要素は単語の正しい発音、アクセント、イントネーションと単語連結による音の変化(リエゾン ・リンキング・リダクション・フラッピング)などを理解することです。

この記事は動画でも解説しています。実際の音声を確認したい方はそちらの方でご覧ください。

英語の上達にはリエゾンなどの音の変化についていく

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Thank you ….

この句の発音は「サンク・ユー」ではありません。「サンキュー」と発音します。

このように単語と単語の連結に応じて音は変化。音の変化にはいくつかのパターンがあり、それぞれ、リエゾン(リンキング)やリダクションなどで説明されています。

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単語の連結による音の変化の解説と具体例

単語と単語が句・節・文中でつながりについてもう少し詳しく見ましょう。

単語は基本的にアルファベットで構成されています。ポイントは単語の語末と次の単語の語頭の関係です。

例えば、”pick up”で見ると、最初の単語pick の語末は ”k=子音” で、次の単語の語頭は “u=母音” 。

組み合わせは子音+母音となります。これにより、発音は「ピック・アップ」→「ピッカップ」と変化(この場合は、リエゾン )します。

このように、前の単語の語末と続く単語の語頭の組み合わせはいくつかに分類されます。

① 子音+子音

② 母音+母音

③ 子音+母音

この他に特別な組み合わせとして、

④ D、S、T+Y

があります。

これらを実際の事例に基づいて解説していきたいと思います。

① 子音+子音 → 音が消える;小さく発音 ; 変化する

前の単語の語末が「子音」続く単語の語頭も「同じ子音」の場合、(i)前の単語の語末が省略され発音されない(リダクション)場合。(ii)前の単語の語末を小さく発音する場合。(iii)全く変化(リエゾン )する場合。の3つがあります。

子音ごとに見ていきましょう。

【d+d】

リダクション:前の単語の語末の”d”の発音が省略される

Bad day.

「バッド」+「デェイ」=「バッデェイ」

→ I had a bad day.

主な形容詞

Bad, Blind, bored, broad, canned, Cold, good, bad, red, fixed, loud, mad, sad, stupid, weird, wild, 

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Bad day, bad disease, bad dispute, 

Blind date

Bored drawings, bored dog, bored design, bored diagram, 

Broad disaster, broad drought, 

Canned drinks,

Cold drinks, cold day, cold dinner, cold dish, 

good dog, good day, 

Bad dream, bad day, 

Red dress, 

Fixed date, fixed door, 

Loud dog,

Mad dog

Sad day,

Stupid dog,

Weird dream,

Wild dog,

【d+(d以外の)子音】

この場合、d+dとは異なり、前の単語の語末の”d”は若干小さく発音がするネイティブしないネイティブがいます。これは、そのひとの受けた教育環境によりことなる傾向があります。

→Bad boy

「バッド」+「ボーイ」=「バッ(小さく発音する「ド」)ボーイ」

「バッド」+「ボーイ」=「バッボーイ」

Good news

→ 「グッド」+「ニュース」=「グッニュース」

→ I heard the good news.

Could be

「クッド」+「ビー」=「クッビー」

ですが、会話によっては、”could” を強調するような場合、「クッド」+「ビー」=「クッドビー」と発音します。

【d+母音】

リエゾン:音が変化する場合→前の単語の語末 “d” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

Need it

「ニード」+「イット」=「ニーディット」

good at

「グッド」+「アット」=「グッダット

【f+f】

リダクション:前の単語の語末の”f”の発音が省略される

CFO→Chief Financial Officer

→「チーフ」+「フィナンシャル」+「オフィサー」=「チーフィナンシャル・オフィサー」

→ He’s our new Chief Financial Officer.

主要な形容詞

Brief, half, stiff, waterproof など

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Brief feature

Half full,  half finished, 

Stiff fabric,

Waterproof flooring, waterproof fabric など

【f+(f以外の)子音】

小さく発音する

Brief notice

「ブリーフ」+「ノーティス」=「ブリー(小さく発音する「フ」)ノーティス」

【f+母音】

リエゾン :音が全く変化する→前の単語の語末 “f” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

half a

「ハーフ」+「ア」=「ハーファ

【g+g】

リダクション:前の単語の語末の”g”の発音が省略される

Big grape

→ 「ビッグ」+「グレープ」=「ビッグレープ」

→ Look at that big grape.

主要な形容詞

Big, confusing, disappointing, exciting, interesting, long, outgoing など

後続の使用できる英単語は限られる

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Big game, big guy

Confusing game, confusing grammar rules,

Disappointing game, disappointing government, disappointing governor など

Exciting game,

Interesting game,

Long game

Outgoing guy, outgoing gentlemen, 

【g+(g以外の)子音】

前の単語の語末の”g”を小さく発音するネイティブとしないネイティブがいます。受けた英語教育の環境により異なります。

→ Big name

「ビッグ」+「ネーム」=「ビッ(小さく発音する「グ」)ネーム」

【g+母音】

リエゾン :音が変化する場合→前の単語の語末 “g” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

talking about

「トーキング」+「アバウト」=「トーキンバウト」

【l+l】(エル)

リダクション:前の単語の語末の”l”の発音が省略される

Cool location

「クール」+「ロケーション」=「クーロケーション」

Shibuya is a cool location.

主な形容詞

Additional, annual, artificial, awful, careful, cool, criminal, cruel, cultural, essential, final, financial, historical, internal, mutual, practical など

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Additional labor,

Annual leave

Artificial lawn

Awful lecturer

Careful lawyer

Cool location

Criminal lawsuit

Cruel literature, 

Cultural location, 

Essential list

Final list

Financial learning, financial loss

Historical landscape

Internal loss

Mutual loss

Practical label

【l+(l以外の)子音】

小さく”l”発音する

→ Final day

「ファイナル」+「ディ」=「ファイナ(小さく発音する「ル」)ディ」

【l+母音】

リエゾン :音が変化する→前の単語の語末 “l” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

cool off

「クール」+「オフ」=「クーロフ

【p+p】

リダクション:前の単語の語末の”p”の発音が省略される

Cheap pancake

→「チープ」+「パンケーキ」=「チーパンケーキ」

→ It’s a cheap pancake.

注意したい前の単語候補 形容詞+名詞の場合

主要な形容詞

Cheap, deep, sharp, steep, keep, top, stop など

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Cheap packing, Cheap partition, Cheap pass,  cheap price, cheap pension, cheap plane tickets, cheap phones, cheap parking, cheap places, cheap pocket wifi, cheap places to eat など

Deep purple,  

Sharp pain,

Stop talking, stop studying, stop by, stop playing 

Steep pathway, steep path, steep pavement,  steep picture, steep pile, steep pipe, steep price(法外な値段) 

Top page, top places to visit, top priority, 

Keep posted, keep promise, keep pace with, keep pushing, keep pulling, keep going

【p+(p以外の)子音】

この場合、p+pとは異なり、前の単語の語末の”p”は若干発音が残る場合と、次の単語の語頭の子音と繋がるリエゾン する場合の二種類があります。

小さく発音する場合の例:Cheap trick

→「チープ」+「トリック」=「チー(小さく発音する「プ」)トリック」

【p+母音】

リエゾン:音が変化する場合→前の単語の語末 “p” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

Drop off

「ドロップ」+「オフ」=「ドロッポフ」

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

drop off, drop out など

Keep it

動詞:skip, slap, wrap

Skip it, Wrap it

ともに、「スキップ」+「イット」=「スキピット」;「ラップ」+「イット」=「ラピット」のように、語末の子音が続く単語の語頭と合わさってひとつの音になります。

【s+s】

前の単語の語末の”s”の発音が省略される

Excess supply

「エクセス」+「サプライ」=「エクセサプライ」

Due to excess supply, prices deteriorated.

主な形容詞

Careless, delicious, enormous, excess, generous, serious, various, worthless

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

Careless security, delicious soup, enormous supply, excess supply, excess stock, generous suggestions, 

Serious suffering, various structure,  worthless system,

【s+(s以外の)子音】

→ Careless mistake

「ケアレス」+「ミステイク」=「ケアレ(小さく発音する「ス」)ミステイク」

【s+母音】

リエゾン :音が変化する→前の単語の語末 “s” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

as a

「アズ」+「ア」=「ア

excess of

「エクセス」+「オフ」=「エクセソフ

【t+t】

前の単語の語末の”t”の発音が省略される

About to

→ 「アバウト」+「トゥー」=「アバウトゥー」

→ He is about to leave the office.

主要な形容詞

About, part, what, hot, sweet, alert, ancient, apt, correct current, efficient, imminent, exact, flat, great, frequent, important, indirect, insufficient, joint, last, latest, least, perfect, pleasant, put, right, secret, short, straight, unjust, urgent, wait, wet, violent, vacant, 

日常会話でよく使われる類例の組み合わせ

About time, about that, 

Sweet tweet, sweet tooth, sweet time, 

What time, what to do, what the heck(試験などでは出ないと思います), 

Hot topic, hot tea, 

Alert to, 

Ancient times, 

Apt to, 

Correct time, current time, 

Efficient training, imminent threat(差し迫った脅威), 

Exact the same, exact time, 

Flat tire, 

Frequent traveler

Great time, great thing, great taste, 

Important to me, important things, 

Indirect tax, 

insufficient time

Joint team, joint ticket, joint typhoon, 

Last time, last train, 

Latest technology, 

Least thing, 

Perfect time, perfect to me, 

Pleasant time, pleasant trip, 

Put together, put through, 

Right topic, right there, 

Secret talk, 

Short term, short trip, 

Straight talk, straight to, straight through, 

Unjust treatment(不公平な扱い) 

Urgent task, 

Wait to see, wait till, 

Wet towel, 

Violent thoughts, 

Vacant time, 

【t+(t以外の)子音】

前の単語の語末のt音は少しだけ弱く発音

→ Sit down

「スィット」+「ダウン」=「スィッ(小さく発音する「ト」ダウン」

→ right page

「ライト」+「ページ」=「ライ(小さく発音する「ト」)ページ」

【t+母音】

リエゾン :音が変化する→前の単語の語末 “t” とつづく、単語の語頭の母音がひとつの「音のかたまり」になる。

part of

「パート」+「オブ」=「パートブ

② 母音+母音

前の単語の語末が「母音」続く単語の語頭も「母音」の場合、変化のパターンは二種類あります。(1)前の単語の最後の子音に引きづられる場合。(2)別な音が間に入り込む場合。

Some of

→ Some of us will attend.

「サム」+「オブ」=「サマブ」

Close it

→ Close it will you ?

「クローズ」+「イット」=「クロージッ」

Go out

→ Why don’t you go out ?

「ゴー」+「アウト」=「ゴーワウト」”w” の音が間に入るように聞こえる。

③ 子音+母音

前の単語の語末が「子音」続く単語の語頭が「母音」の場合、前の単語の語末の子音は後続の単語の母音に連結して音が変化する。代表的な子音+母音については、既に解説済み。

Turn off → Tur + noff

→ 「ターン」+「オフ」=「ターノフ

→ Turn off the radio.

Keep on → kee + pon

→ 「キープ」+「オン」=「キーポン

→ keep on moving.

Pick it. → Pic + kit

→ 「ピック」+「イット」=「ピキッ

→ Pick it.

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リダクションの解説と具体例

リダクションは音が脱落して発音されない状況です。既に解説したように単語の連結で同じ子音同志が繋がることで音が脱落する場合以外に、単語単体の語末の発音が消音(脱落)されるケースと句や文節の中で単語の連結により音が変化するケースの二つがある。

単語単体の語末消音するケース→全く消える訳ではなくて、小さく発音されます。

Soup

→「スープ」実際の発音は「スー(小さく「プ」)ッ」

Road

→ 「ロード」実際の発音は「ロー(小さく「ド」)ッ」

Bag

→ 「バッグ」実際の発音は「バッ(小さく「グ」ッ)」

単語の連結により「音」その物が変化する

Want to → wanna

Going to → gonna

Had to → Hadtu

フラッピング(タッピング)の解説と具体例

単語によっては、”t”が母音で挟まれると、発音が”t”→”d”のように聞こえる変化をする。

Pretty → 「プリティ」→「プリディ」

Water → 「ウォーター」→「ウォダー」

Data → 「データ」→「デーダ」

Rhotic vs Non Rhotic ( rの発音 vs rの非発音 )

アメリカ英語とイギリス英語の違いにはいくつかあります。そのひとつに “r” の発音の有無があります。

例えば、Far(副詞:遠い)

アメリカ英語では、”r”を少し発音します。極端に表現すると野球の「ファール」の「ル」の音の小さい発音です。

対して、イギリス英語では発音せずに「ファー」と発音。

特殊な例 前の単語の語末がD ・T・ Zのいずれかで 続く単語の語頭が Y の時、連結部分の音が変化

D+Y→JewまたはJo

Did you (open it ?)

→ 「ディ」+「ユー」→「ディジュ」

Did your (father say so ?)

→ 「ディ」+「ヨ」→「ディジョ」

T+Y→CHU

Won’t you (guide my slay bell tonight ?)

→ 「ウォン」+「ユー」「ウォンチュ」

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まとめ

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単語と単語が連結することで音が変化するいくつかのパターンがあるという程度でいいので理解しましょう。

そして、自身の口から声に出して真似をすることが重要です。

ネィティブの発音を聞いて耳から具体的にどのような音のつながりが入ってきているのかを理解するには、実際に自身でそれを再現できないと、頭の中で耳からの情報を正確に認知できませんよね。

お手元にあるテキストの文を声に出して読む際に注意していただければと思います。

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