M&Aとリエゾンって、あまり関係ないようですが、実は、意外に金融用語の中にもリエゾンがいくつか散見されます。
例えば、Take a bath. 風呂に入る。ですよね。実は、金融用語では別な意味として使われています。
この記事では、日頃から英語に関心のある方も金融にのみ関心のある方にも参考になる記事だと思います。
M&Aの用語から学ぶ:リエゾン・リンキング
Take a bath:大損を投資で被ること。
I took a bath on ZZZ stock yesterday when the market dropped.
昨日の株式の暴落でZZZ株で大損した。
Make a market:値(段)を示せ
Make a market on the bond.
国債の値段を出せ。
HIt the bid:買値で売れ
Hit the bid right now.
いますぐ買値で売ってしまえ。
Tag Along:つきまとう
A stranger tagged along.
知らないひとに付きまとわれた。
Drag Along:ひきづる
イディオムとしての “drag along” は、ありません。慣用的に使用されています。
M&Aの代表的な条項:Tag Along, Drag Along
M&Aの世界で締結される契約書の中に、条項としてTag Along Rights Drag Along Rightsというものがあります。
日本の未上場企業の多くは会社の株式を譲渡する時には役員の承認を得る必要があるなど株式の譲渡制限がついています。
この、Tag Along Rights Drag Along Rightsもある意味譲渡制限の一種です。具体的な事例で説明していきたいと思います。
ある会社A社をB社とC社で共同で設立したとしましょう。
A社の株式を二社で保有している場合を例に説明します。
A社の株式100株をB社60株とC社40株で保有している。
会社を複数社で設立したり、既存の会社の株式を複数社で保有したりするような場合、同数で持つ場合もありますが、保有比率に差異があるような場合、少数株主側(この場合C社)は大株主側(B社)に突然抜けられると困ります。
このような場合、C社が自社を守るために会社設立時の株主間協定書などにTag Along条項を入れます。
事例(Tag Along)
B社はこの会社の株式を売却したいと考えて買手企業であるD社を探して、この会社の保有する60株を売却する話を進めているとします。
この場合、B社は勝手にD社に保有する株式60株を売却することはできません。
Tag Along条項がCにありますので、C社の持分40株についても売却する必要があります。つまり、大株主であるB社が抜けた後に知らない会社が突然大株主となりC社と一緒にA社を共同で経営していくようなリスクを避けるための条項です。
ただし、新たな大株主であるD社の登場をC社が歓迎するのであれば、このTag Along条項を行使せずにB社の保有分のみD社に売却することをC社が同意すればいいです。
事例(Drag Along)
A社に対してD社が関心を持っていると仮定します。ただし、D社は100%所有でないと買わないとします。このような場合に備えて、あらかじめA社をC社と設立する際にB社はDrag Along条項を入れておきます。
これは、B社が自社保有分をD社に売却する際に、強制的にC社保有分も一緒にD社に売却することを可能にする条項です。
B社がA社経営から外れたい場合、この条項があり且つ条件に見合う買手がいればC社に気兼ねなく売却できます。
まとめ
金融用語の世界にも英単語のリエゾンに相当する用語があります。
Tag Alongは少数株主の利益を守る条項
Drag Alongは大株主の利益を守る条項
普段、このような用語を使うことは英語の学習ではないですが、覚えていて損はないと思います。
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