毎年6月10日は「時の記念日」として親しまれていますが、その由来をご存知でしょうか。この記念日は、天智天皇の10年(671年)4月25日、漏刻と鐘鼓によって初めて時を知らせたという『日本書紀』の記事にもとづき、その日を太陽暦に換算して定められました。1920年(大正9年)に当時の「生活改善同盟」による日常生活を合理的にしようとの提唱を受けて、6月10日を「時の記念日」にすることが制定されました。今回は、約1400年前から続く日本の時間文化の歴史的背景について詳しく解説します。
時の記念日の歴史的起源
天智天皇による漏刻の設置が日本の時計制度の出発点となった
『日本書紀』には、今から約1300年前の飛鳥時代、天智天皇10年4月25日に漏刻(水時計)を置き、時を知らせる鐘鼓が鳴らされたとの記述があります。わが国の時刻制度は、今をさかのぼること1350年の昔、天智天皇の御代に大津の都に漏刻(ろうこく)を設置され時間を知らされた御事績に始まります。
漏刻とは、古代中国から伝来した水時計の一種で、壺や水槽から流れ出る水の量を用いて時の経過を測る装置でした。漏刻・水時計そのものは、古く3500年前からエジプト・バビロニアで使われていたことが確認されており、中国でも前漢のころの文献にも出土品にも残され、この中国から伝わった知識のもとに日本でも作られたと考えられます。
時の記念日の歴史的発展
中大兄皇子時代から始まった時計制度の発展
実は『日本書紀』に漏刻が登場するのは、これが初めてではありません。斉明天皇6年5月(660年)、日本で初めて漏刻が造られたときの記述があります。皇太子時代の中大兄皇子は飛鳥で漏刻を作り、漏刻博士や守辰丁(しゅしんてい)という助手達が漏刻の管理をしました。
日本初の時計は漏刻(ろうこく)という水時計だ。「日本書紀」によると、遣唐使によって中国から伝えられた漏刻を中大兄皇子が初めてつくったのは660年5月のこと。その後11年という年月を経て、天智天皇として即位した後に近江宮で実用化。671年の6月10日に運用が開始されたという。
大正時代の時の記念日制定の背景
生活改善運動と近代化への願い
「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と人々に呼びかけ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために制定されました。大正時代の日本は急速な近代化の波の中にあり、時間に対する意識改革が求められていました。
「時の記念日」が制定されたのは1920年です。東京教育博物館(現在の国立科学博物館の前身)を中心として、時間の大切さを国民に呼びかける運動が始まりました。
現代における時の記念日の意義
日本独自の文化として定着した記念日
「時の記念日」制定の目的は、時間を大切にする意識を広めること。制定100周年となった2020年には、国立科学博物館で「時」という企画展が開催されるなど、各地でさまざまなお祝い事が行われました。また、「時の記念日」は日本独自の記念日であるため、世界的なイベントは開催されていません。
近江神宮では毎年6月10日に漏刻祭が行われ、天智天皇の偉業を称えるとともに、現代の時計産業の発展を祈願しています。このように、時の記念日は古代から現代まで続く日本の時間文化を象徴する重要な記念日として位置づけられています。
アメリカ人に伝える際に役立つビジネス英語表現
時間管理に関する英語表現
- “Time management is crucial for business success.” 「時間管理はビジネス成功の鍵です。」
- “We established this tradition to emphasize the importance of punctuality.” 「時間厳守の重要性を強調するためにこの伝統を確立しました。」
- “This commemorative day represents Japan’s commitment to precision and efficiency.” 「この記念日は日本の精密性と効率性への取り組みを表しています。」
- “The water clock system laid the foundation for Japan’s time-conscious culture.” 「水時計システムは日本の時間意識文化の基盤を築きました。」
- “Time consciousness has been deeply rooted in Japanese business culture for over 1,400 years.” 「時間意識は1400年以上にわたって日本のビジネス文化に深く根ざしています。」
まとめ
時の記念日は、単なる記念日以上の深い歴史的意義を持っています。天智天皇による漏刻の設置から始まった日本の時間制度は、現代の「時間厳守」という日本人の特性の源流となっています。大正時代に制定された時の記念日は、近代化への願いとともに、古代から続く時間への敬意を現代に伝える架け橋の役割を果たしているのです。
毎年6月10日を迎える際には、この長い歴史に思いを馳せ、時間の大切さを改めて認識する機会として活用したいものです。
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